2009年6月5日金曜日

ノーマン・デロ=ジョイオ:変奏とカプリッチョ

パトリシア・トラヴァース(ヴァイオリン)、ノーマン・デロ=ジョイオ(ピアノ)Columbia ML 4845 (LP)

ナクソス・ミュージック・ライブラリー→http://ml.naxos.jp/work/1381936

簡素なスタイルで書かれた変奏曲。しかし(作曲者によるオリジナルの)主題の提示はピアノの前奏と無伴奏のヴァイオリンというユニークな構成。変奏のための和声的な枠組みはピアノが行い、ヴァイオリンは寄想曲な性格を出しているようだ。また、変奏も四角四面的ではなく、あちこち自由にたゆたうようであり、そういう面からも「寄想曲的」なのかもしれない。作曲者のデロ=ジョイオは、この作品は「簡素で歌いやすい構想で書かれており、叙情的でもある」とし、「この作品は、テクスチュア的には軽く、和声的には簡素で、形式的にはシンプル(と受け取ってもらえるといいのだが)である」としている。一筋縄に古典的作品として味わえないところもあるが、現代的センスを生かした、しとやかで爽快な作品であるとは思う。(99.7.9.、99.9.11.アップデート)

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