ミルトン・バビット:『ソリ・エ・ドゥエッティーニ (独奏と小二重奏曲)』 現代音楽グループ
バビットの音楽は漫然と聴くとランダムな音の連続のように聴こえる。精巧なセリエリズムよって音が配列されながらも不協和音程の跳躍が多く、一聴しただけでは拍節感がつかみにくいからだろう。だが音にじっくりと立ち向かうと、一音ごとに細かく指示されたニュアンスに驚嘆し、突然その音楽が耳に入ってくることもある。ウィリアム・パーヴィスによる《アラウンド・ザ・ホルン》 (アメリカのスポーツ番組のタイトルでもある) は楽器演奏の難しさを考えれば、かなりの超絶技巧曲になるし、スネア・ドラムのみによる《お説教》は、その背後にある音楽理論を考えるほどタイトルがユーモラスに感じられる。ギターやピアノなどの例外はあるが、ほとんどが単音を主に発する楽器なので、音の重なりよりは線的要素が強調される傾向がある。おそらくバビットをそれを意識して創作に挑んだのだろう。短い作品も多いのでバビット入門には適したディスクといえるのかもしれない。
《アラウンド・ザ・ホルン》、《ホワールド・シリーズ》《フルート独奏のみ》、《くどい小言》、《ビートゥン・パス》、《プレイ・イット・アゲイン・サム》《独奏と小二重奏曲》、《メリスマータ》 ザ・グループ・フォー・コンテンポラリー・ミュージック
NMLリンク → http://ml.naxos.jp/album/8.559259
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バビットの音楽は漫然と聴くとランダムな音の連続のように聴こえる。精巧なセリエリズムよって音が配列されながらも不協和音程の跳躍が多く、一聴しただけでは拍節感がつかみにくいからだろう。だが音にじっくりと立ち向かうと、一音ごとに細かく指示されたニュアンスに驚嘆し、突然その音楽が耳に入ってくることもある。ウィリアム・パーヴィスによる《アラウンド・ザ・ホルン》 (アメリカのスポーツ番組のタイトルでもある) は楽器演奏の難しさを考えれば、かなりの超絶技巧曲になるし、スネア・ドラムのみによる《お説教》は、その背後にある音楽理論を考えるほどタイトルがユーモラスに感じられる。ギターやピアノなどの例外はあるが、ほとんどが単音を主に発する楽器なので、音の重なりよりは線的要素が強調される傾向がある。おそらくバビットをそれを意識して創作に挑んだのだろう。短い作品も多いのでバビット入門には適したディスクといえるのかもしれない。
なお、本CDは、かつてKoch Internationalからリリースされていた音源を移行発売したものである。(2006年7月執筆、2017.2.25. 追記)
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