マリン・オールソップ指揮コロラド交響楽団、同合唱団 Naxos 8.559227
録音:2005 年1月
Naxos Music Libraryへのリンク→http://ml.naxos.jp/album/8.559227
ハリスの第3交響曲にはアメリカの大地を感ずる素朴で粗削りなイメージが強い。バーンスタインの演奏で親しんだリスナーには特にそうだろう。しかしオールソップはしっとりした抑揚の中で、ハリス作品で見逃されがちな洗練されたニュアンスを、和声の独特の移り変わりや、それによる細やかな情感の変転に見出す。アメリカ交響曲の最高傑作の一つとされるハリスの3番が、これほどまでに穏やかに響くとは思いもしなかった。
単一楽章の民謡メドレーとして書き始められ、合唱付ファンタジーに仕上がった《民謡交響曲》も同様のアプローチ。変拍子によるダンスは生命力につながりこそすれ、野卑になることはない。ハリスは生前から録音に恵まれた作曲家だったが、晩年はその名声が後退したため、10番以降の交響曲は未だに聴く機会がない。今後ナクソスが交響曲全集を作り上げていくのが楽しみだ。なお歌詞(翻訳なし) はナクソスのサイトからダウンロードできる。(2006年7月執筆)
2017年8月22日追記:第3交響曲はカットなしの演奏。
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